Destiny
―side NANASE―
「えっ?! あのバーの店員が?!」
「うん…」
「あのクールなイケメン?!」
「うん、そう…」
週に一回、芹と講義が被る日。
あえて話すことでもないだろうと、
あの日のバーでのことには触れずにいた。
けれど芹が「あの日のバーに飲みに行こう」と言うものだから、
うっかり表情に出てしまい。
芹に問い詰められては勝てないと、全てを白状した。
「へえ~…あたしあの日の記憶あんまり無いからなあ…
イケメンだったのは覚えてるけど顔覚えてない…」
「芹、マスターにべったりだったし」
「あ、そうそう!あたし、あのマスター狙うから!!」
「えぇ?!」