ハンバーガーと私とガールズラブ
 私はそろそろと歩き出し、学食へ向かう。


 気分は最悪である。


 荒井の幸せ者め!


 悔しい! 私だってエリのから揚げ弁当食べたいよ!


 荒井が貧乏だなんて知らなかったし気づかなかったけど、本当にエリはあんな奴のどこが良いのか。


 すんごいバカだし。アホだし。マヌケだし。


 ちょっと顔が良いし、運動神経良いし、明るくてクラスのムードメーカーみたいなとこはあるけど……


 うん? 意外と優良物件か?


 いやいや、無いな。


 って、そんなことを考えていたら、すぐに学食に着いた。


 何はともあれ、旨いが一番である。


 もう、よだれダラダラなのである。


 私は混雑している学食の券売機の前に並んだ。


 頭の中はカツ丼でいっぱいだ!


 そして、何を食べるのかを決め手から並ぶのが、ここのルール。


 正直言って、券売機にお金を入れてから悩んだのでは、後続の人々に申し訳ない。


 とは言え、並んでいる最中にも、様々な誘惑が私を襲っているのも確かだ。


 ああ、ラーメンは素敵。今日の日替わりは野菜炒めか。


 いや、しかし、今日はカツ丼で決めた。


 私はスムーズに巡る順番を待ち、ついに券売機の前に立った。
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