ハンバーガーと私とガールズラブ
「ふふふっ。大人のキス。どうだった? あ、もう、意識が飛んじゃってるかな?」


 頭が、ボーっとして、よく、分からない。


「じゃあ、さ、ベットルームに行こうか。優しくしてあげるから。さ」


 涼子さんは私を抱き上げる。


 お姫様抱っこだ。


 寝室は居間の隣。廊下を出てすぐのところにあった。


 私はそこに転がされる。


 そして、見た。


 天井に、大きな私の写真。


 壁も一面、色んな私の写真でいっぱいだった。


 それも子供の頃の私も、いて、成長の記録みたいにしてびっしり貼ってあった。


 着替えてる途中とか、裸の写真まであった。


 撮影された記憶なんて、もちろん、無い。


「あ、は、なは」


「喋れないんだから、無理しないでね」


 涼子さんが優しく笑う。
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