ハンバーガーと私とガールズラブ
「ずっと貴女を愛してたの。ずっと見てた。子供の頃から、美味しそうで」


 涼子さんが、私のほっぺをカプっとくわえた。


 そのまま舌でぺろぺろ舐める。


「美味しいよ。ああ、本当に食べちゃいたい。夢だったのよ。これ。あん。ふふふ。そうだ、良いもの聴かせてあげる」


 涼子さんはそのまま、部屋の隅にあるパソコンを触った。


 スピーカーから、音声が流れた。


『そっかー。エリ、荒井が好きなんだね。応援、するよ』


 私の声だ。内容も覚えてる。


 電話で、エリに、荒井がスキだってことを教えてもらった時の音声だ。


「盗聴器のデータ、良いのはちゃんと残してるんだ。でね。切ったり貼ったりしてね」


 スピーカーから、次の音声が流れた。


 なんだか不自然な、切り貼りしたというのが丸分かりの声だった。


 もちろん、私の声だった。


『私_リョ_ウ_コ_さん_好き_だよ_ダイ_好き_ア_い_してる』


 涼子さんはうっとりしながら、それをもう一度流した。


『私_リョ_ウ_コ_さん_好き_だよ_ダイ_好き_ア_い_してる』
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