Successful Failure -短編集-



「で、まあ、完璧主義者の水島様だから、きっと明日のテストは猛勉強してくるんだろうなって。それで手元に古典のノートが、それもテストに丸々出てくる可能性もある文法のプリントが挟まっているんだ。あとは、俺に貸したことを忘れて学校に取りにくるか、俺にメールが来るかの二択だったな」



こいつ、そこまで考えていたのか。



「俺にどうしてほしいんだ?」



カンニングのことは、おそらく脅しだろう。
ばらされたくなかったら何かしろ。
おそらくそんなところだろう。



「ん?意外と頭いいんだなー」



「これでも学年でトップだ。望みは何だ?まさか、俺と組んで漫画家になってくれとでも頼むのか?」



「お!お前、意外とそういうの読むんだな」



「人気を保つためだ。ただ、俺は文才もなければ絵も上手くないぞ?」



「違うって。別に一緒に博打しようってんじゃないんだ。一つ相談に乗ってほしいことがあるんだよ」



「相談?」


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