恋の治療は腕の中で
あれから2週間程経った。
話さなきゃとは思うものの私は、まだ瑞季達に本当のことを話せないままでいた。
今日は土曜日で午前診療のみ、最後の患者さんを呼ぶ。
「西園寺さん。こちらへどうぞ。」
うわー、綺麗な人。
まるで雑誌から飛び出てきたかと思う位端正な顔立ちと颯爽と歩く姿。自分と同じ人種かと情けなくなる。
何気なく予診表を見ると紹介者の欄に藤堂悠文と書いてあった。
悠文の知り合い?
私の胸がざわざわする。
「こんにちは、今日はどうされました?」
「悠文さん。」
「麗香、なんでここに?」
明らかに動揺してる悠文は西園寺さんを仕事中にもかかわらず下の名前で呼んだ。
その麗香さんは治療をさせるわけでもなく
「悠文さんが会ってくださらないから、ここまで押し掛けちゃいました。」
なんて素敵な笑顔なんだろう。
わたしは、一瞬見とれたが次の瞬間には血の気が引くのが分かった。何故ならその麗香さんが悠文にいきなりキスをしたからだ。
「いきなり何をするんですか。」
「あらっ。フィアンセがキスをするのは、当然じゃないかしら?」
フィアンセ?誰と誰が?
余りに突然のことに私の頭は理解できなくなっていた。
「治療を受けるつもりがないのなら帰っていただけますか。」
悠文は、冷静な声でお願いと言うよりむしろ強制的な言い方で西園寺さんに言い放った。
でも西園寺さんは引き下がらない。
「帰って欲しいのならちゃんと会って下さい。そうでないと私またこちらに伺いますわ。」
悠文は、ため息をつきながら
「わかりました。ちゃんと連絡します。だから今日のところは帰ってください。」
「約束ですよ。連絡お待ちしておりますわ。」
西園寺さんは満足そうに笑いながら診察室を出ていった。
一体何があったの?私は口をぽかんと開けて西園寺さんが出ていくのを見送った。
悠文は西園寺さんが出ていくともう一度大きなため息を吐いてから診察室を出ていった。
えっ。何も私に話すことはないの?
私はゆっくりと今までのことを頭の中で整理した。
確か西園寺さんは自分のことをフィアンセって言ってたよね。ずっと会ってくれないとも言ってたような……。
それってつまり西園寺さんこそ本当のフィアンセで何か理由があって会ってなかったってことだよね。
なんだ、そう言うことか。
私にとって最悪な結末がやってきたってことね。初めから私達の関係は間違っていたんだ。もしかして私悠文にからかわれてたの?
それからどうやって仕事を終わらせたか覚えてない。
スタッフルームに戻って着替えをしていると心奈がやってきて
「紗和さん、藤堂先生の最後の患者さんの西園寺さんって藤堂先生とどういう関係なんですかね?」
突然の質問に私は動揺しながら
「えっ、どういうって?」
思わず声がうわずってしまった。
不思議そうに心奈は
「どうしたんですか?
そんなことより、西園寺さんが来院した時、藤堂がいつもお世話になっております。なんて言ってきたんですよ。
私ビックリしちゃってはあー?なんて間抜けな返事してたと思うんですけど、そんなこと気にもしないでこれからも藤堂をよろしくお願いしますね。なんてあれじゃあまるで藤堂先生の奥様みたいでしたよ。
あっ、でも確か藤堂先生はご結婚されてないから彼女ってとこですかね。
でも、確か彼女もいないって言ってたのにな?」
私と悠文の関係を知らない心奈は私が考えないようにしていた最悪のことをさらっと言ってきた。
そこへ瑞季が入ってきたので、心奈は私に話したことを瑞季に話してやった。
「へぇー、あの藤堂先生に恋人ね~。」
私は心の中でギクリとした。
「今日お二人はこの後暇ですか?これからどこか行きません?ここじゃこれ以上この話しできないし。」
「うん。特に予定はないけど。」
「紗和は?」
「わ、私もないよ。」
ホントは直ぐにでも帰って悠文に西園寺さんとのこと聞きたかったけど、そんな勇気はなくむしろ心奈の提案がありがたかった。
話さなきゃとは思うものの私は、まだ瑞季達に本当のことを話せないままでいた。
今日は土曜日で午前診療のみ、最後の患者さんを呼ぶ。
「西園寺さん。こちらへどうぞ。」
うわー、綺麗な人。
まるで雑誌から飛び出てきたかと思う位端正な顔立ちと颯爽と歩く姿。自分と同じ人種かと情けなくなる。
何気なく予診表を見ると紹介者の欄に藤堂悠文と書いてあった。
悠文の知り合い?
私の胸がざわざわする。
「こんにちは、今日はどうされました?」
「悠文さん。」
「麗香、なんでここに?」
明らかに動揺してる悠文は西園寺さんを仕事中にもかかわらず下の名前で呼んだ。
その麗香さんは治療をさせるわけでもなく
「悠文さんが会ってくださらないから、ここまで押し掛けちゃいました。」
なんて素敵な笑顔なんだろう。
わたしは、一瞬見とれたが次の瞬間には血の気が引くのが分かった。何故ならその麗香さんが悠文にいきなりキスをしたからだ。
「いきなり何をするんですか。」
「あらっ。フィアンセがキスをするのは、当然じゃないかしら?」
フィアンセ?誰と誰が?
余りに突然のことに私の頭は理解できなくなっていた。
「治療を受けるつもりがないのなら帰っていただけますか。」
悠文は、冷静な声でお願いと言うよりむしろ強制的な言い方で西園寺さんに言い放った。
でも西園寺さんは引き下がらない。
「帰って欲しいのならちゃんと会って下さい。そうでないと私またこちらに伺いますわ。」
悠文は、ため息をつきながら
「わかりました。ちゃんと連絡します。だから今日のところは帰ってください。」
「約束ですよ。連絡お待ちしておりますわ。」
西園寺さんは満足そうに笑いながら診察室を出ていった。
一体何があったの?私は口をぽかんと開けて西園寺さんが出ていくのを見送った。
悠文は西園寺さんが出ていくともう一度大きなため息を吐いてから診察室を出ていった。
えっ。何も私に話すことはないの?
私はゆっくりと今までのことを頭の中で整理した。
確か西園寺さんは自分のことをフィアンセって言ってたよね。ずっと会ってくれないとも言ってたような……。
それってつまり西園寺さんこそ本当のフィアンセで何か理由があって会ってなかったってことだよね。
なんだ、そう言うことか。
私にとって最悪な結末がやってきたってことね。初めから私達の関係は間違っていたんだ。もしかして私悠文にからかわれてたの?
それからどうやって仕事を終わらせたか覚えてない。
スタッフルームに戻って着替えをしていると心奈がやってきて
「紗和さん、藤堂先生の最後の患者さんの西園寺さんって藤堂先生とどういう関係なんですかね?」
突然の質問に私は動揺しながら
「えっ、どういうって?」
思わず声がうわずってしまった。
不思議そうに心奈は
「どうしたんですか?
そんなことより、西園寺さんが来院した時、藤堂がいつもお世話になっております。なんて言ってきたんですよ。
私ビックリしちゃってはあー?なんて間抜けな返事してたと思うんですけど、そんなこと気にもしないでこれからも藤堂をよろしくお願いしますね。なんてあれじゃあまるで藤堂先生の奥様みたいでしたよ。
あっ、でも確か藤堂先生はご結婚されてないから彼女ってとこですかね。
でも、確か彼女もいないって言ってたのにな?」
私と悠文の関係を知らない心奈は私が考えないようにしていた最悪のことをさらっと言ってきた。
そこへ瑞季が入ってきたので、心奈は私に話したことを瑞季に話してやった。
「へぇー、あの藤堂先生に恋人ね~。」
私は心の中でギクリとした。
「今日お二人はこの後暇ですか?これからどこか行きません?ここじゃこれ以上この話しできないし。」
「うん。特に予定はないけど。」
「紗和は?」
「わ、私もないよ。」
ホントは直ぐにでも帰って悠文に西園寺さんとのこと聞きたかったけど、そんな勇気はなくむしろ心奈の提案がありがたかった。