恋の治療は腕の中で
土曜日になり診察が終わると悠文が


「これから行ってくる。心配しないでいいから。紗和は家で待ってる?」


悠文が仕事場でプライベートなことを話すのは初めてだ。
私は驚いて悠文の顔を見ると照れながら

「紗和に心配かけさせたくないからな。」

そんな悠文の言葉がなんだかくすぐったい

「うん。信じて待ってます。

あっ、でも心奈達とお昼食べて帰る約束してるから、夜には戻ります。」


「まさか、この間の店じゃないだろうな。」

この間の店?

あー、陵介さんのお店ね。


「違いますよ。今日はホテルのヴュッフェを食べに行くんです。」


「そうか。くれぐれもあの店に紗和達だけでいかないように。」


クスッ

焼きもちだよね。やっぱり。

「大丈夫です。いってらっしゃい。」






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