恋の治療は腕の中で
「それで、どうなの?藤堂先生とは?正直に話してごらん。」



「実は、悠文いや、藤堂先生の歓迎会の時私酔っぱらってあんまり覚えてないんだけど、婚約したらしいんだよね。」


「あー、そんなこともあったかも。」


やっぱり本当のことだったんだ。別に悠文を疑ってた訳じゃないけど。

って、言うか婚約したこと二人とも驚かないの?


「紗和さん覚えてなかったんですか?」


「う、うん。途中から記憶がないんだ。」



「紗和さん珍しくかなり酔ってましたもんね。」


「あの日そのまま藤堂先生は私を送ってくれたんだけど家が分からなくて仕方なく自分のマンションに連れて帰ったの。

次の日私を送ってくれたらアパートが火事になってて他に行く所のない私に一緒に住まないかって言ってくれたの。」

「はー、なんか展開が早くてついていけないんですけど。」


ははは そうだよね。私も初めはついていけてなかったもん。


「それで、どうなの?藤堂先生とはつまり

………………。 しちゃったの?」


やだ、まさか瑞季がそんなこと聞いてくるなんて心奈じゃあるまいし。


「そうですよ。どうなんです。」




「いやー、一応 ねぇ~。


したというか。」


ちょっと何言わせんのよ!



「ふーん。良かったじゃん。いつまでも大切にし過ぎてて心配だったからさ。」


「別に大切にしてた訳じゃないよ。」


「まあ、色んな意味で乾杯ですね。」

それから三人でたわいもない話をした。でも私は悠文と麗香さんのことが気になって仕方がない。

そんな私を変に思ったのか瑞季が

「紗和どうした?何かあった?」


「もしかして、麗香さんのこと気にしてるんじゃないですか?」

こう言う時の心奈てどうしてこんなに鋭いんだろう。


「うん。実は今頃麗香さんと悠文会ってると思う。

悠文はちゃんと話しをしてくるって言ってたけど、なんか不安でね。」


「そうだったんですか!

でも大丈夫ですよ。藤堂先生って紗和さんのこと凄く大事に思ってるって感じじゃないですか。」

「そうかなぁー?」


「そうですよ。絶対!」


「ありがとう。心奈。」
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