恋の治療は腕の中で
二人で朝食をとってる間沈黙が流れ、食器の音だけがリビングに響いた。


食事も終わろうとしてた時悠文が話し始めた。

「昨日のこと聞かないのか?」


そりゃー聞きたいに決まってるじゃない。でも聞くのが怖いよ。私にとって最悪の答えだったらと思うと。
ほんの数ヶ月前の自分はもっと強かったのに人を愛したらこんなにも自分が弱くなるなんて思ってもみなかった。

「無理しなくていいよ。悠文が話したくなったら話せばいいんだし。」


私は心とは反対のことを言う。それに一生懸命に笑ったけどきっと酷い顔だったと思う。


「ごめん、時期がきたらちゃんと話すよ。」


時期?いったいどのくらい待つんだろう?

もし、麗香さんとやり直したいって思ってたら?それとも私と少しづつ距離を置いて私が落ち着いた頃別れ話をするつもりとか。心がどんどん暗い沼に落ちていくみたい。


やっぱり、好きになるんじゃなかった。このままここにいても余計辛くなるだけなら一刻も早く悠文と別れなきゃ。

私は大丈夫。また元の自分に戻るだけじゃない。

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