恋の治療は腕の中で

瑞季と別れてからマンションにも帰りづらいので私は不動産屋の前で物件を探していた。何軒か不動産屋をはしごして手頃なアパートをプリントしてもらいマンションに着くころには、もう9時を回っていた。

ドアを開けると部屋の中は真っ暗で悠文が帰った様子はない。

早く新しく住むとこ探さなきゃ。

私は悠文を待つことなくお風呂に入り１人では広すぎるベッドに潜りこんだ。きっと眠れないだろうけど。





結局眠れなかった。色んな事を考えてたからっていうのもあるけど、悠文が帰って来なかったことが最大の原因だった。


そう悠文は帰って来なかった。


私は何も食べずに支度をして家をでた。

仕事は仕事。絶対私情は持ち込まない。自分に何度も言い聞かせて病院の扉を開けた。