3日限りのルームシェア
それからもよく家で知香を見かけるようになった。
何度も顔を合わせるようになると知香の人見知りも次第に
なくなり、言葉は少ないものの、樹が話かけると普通に話をするようになった。
その頃からか、知香の事が気になる様になった。
ただ知香は梓の親友で高校生だ。
それになんとなくだが樹が知香に気があるのでは?
と梓が思っている様だったので
余計にアプローチしずらかった。
そして一番の問題は知香本人が樹に全く気がなかった事だ。
これは正直致命的だった。
今まで女に不自由した事がなく女の方から言い寄ってくる
事が多かったのに知香に関しては例外で、その気がないのが
全身から伝わってきた。
元々自分から女の人にアプローチしたことのない樹は
本気で悩んだ。
で、考えた末に出た作戦が・・・・・

「げ・・・兄貴また違う女連れてるよ・・・どうしちゃったんだ?」
梓は怪訝な顔で樹と樹の腕を組む女を見ていた。
知香はそんな樹を物凄く軽い男だと軽蔑のまなざしで見ていた。
「前はあんなんじゃなかったのに・・・」
梓のつぶやきが知香に届く事はなかった。

自分をアピールする方法を完全に間違えてしまった樹・・・・
女の人を度々変えて知香に見せつければ嫉妬心が湧いてくる。
そう考えて、知り合いの女友達を家に入れた。
実際は女友達にCDや本を貸したりしていただけでそれ以上のことは
何もなかった。
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