3日限りのルームシェア

真実と・・思い

信じられない。
知香は必死に涙を堪えながらマンションまでの道のりを走った。
こんなに走ったのは久しぶりだ。
しかも全速力。
だってここで歩いたらきっと私は泣いてしまう。

最初からちょっとした違和感はあった。
ビジネスホテルにでも泊れば安く済むのに
なんで私の所なのって・・・
でも梓のお兄さんだったから引き受けたんだよ。
これが全く知らない人だったら引き受けたりなんかしなかった。

まさかそれが全て計画されていたただなんて・・・

マンションが見えると知香は走るのをやめた。

ちゃんと話してくれたらよかったのに・・・・
ちゃんと・・・そしたらこんな気持ちになんかならなかったのに・・・

家に着くと知香は鍵をかけ、持っていたバッグを玄関に投げるように置くと
リビングのソファーにダイブするように横になった。
天井がやけにぼやけて見える。
目にはうっすらと涙が・・・
「あー。何なのよ」
智香はもう何に対してイライラしてるのかさえわからなくなっていた。

梓や樹が本当の事を最初に話していたら・・・
今回の3日間だけのルームシェアを受け入れただろうか・・・・
きっと答えはノーだったはず。知香は両手で顔をおさえた。
きっかけはよくなかったけど結果が良かったからいいでしょ?
って思えるほど知香は大人になれなかった。
「私の考えって子供じみてるのかな・・・・」

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