あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
獅子は雷竜に噛みつこうと牙をその青白い鱗に食い込ませようとするけれど、その鱗は幻影。
実際は凄まじい電力と光で出来た雷だ。
獅子たちは牙も爪も強力で、その毛皮もある程度の攻撃は防ぎ、その身体に達することはない。
しかし、口の中は無防備だ。
自らその弱点で攻撃に出てしまった獅子たちは、まるで弱った猫のような声を出して身体を震わせた。
雷竜たちは、身体をくねらせ、獅子たちを締め上げる。
もう反撃することのできなくなった獅子たちは降参したようにだらりと舌を出して腹を出した。
これでとりあえず、大丈夫。
雷竜たちをそのまま白く光る鈍色の頑丈な鎖に変化させると、獅子たちの首に鉛で出来た首輪をつけて鎖で庭の柱に繋いだ。
獅子たちは降参したみたいだし、この戦いが終わればきっと誰かが助けてくれるでしょう。
「さ、城に乗り込むよ!」
くるりと後ろを振り返ってみんなに向かって微笑むと、彼らは何故か固まっていた。
「まおは成長したなー!」
最初に声をかけて来たのはシュガーで、あたしの肩をぽんぽん叩く。
「使い魔の力がなくてもここまでできるなんてやっぱりまおはすげぇや」
「しかも、見た感じでは全く疲れも見受けられません。 本当に力のほんの一部だけ使って倒されたのですね」
ボルトには何故か関心されてしまった。
「確かに全力じゃなかったことは認めるよ。全魔力解き放ったら、この城、吹っ飛んじゃうよ〜、きっと」
あははと笑い飛ばして見せるけど、二人は
「やっぱり魔女っていろいろと桁違いだな」
と何やら困ったような表情を見せていた。
「え、あたし何か悪いこと言った?」
「いやいや! 自覚ないのか?」
シュガーの言葉に首をかしげるとシュガーは慌てたように言った。
「魔力を放つだけで城が破壊されるんだぜ? 魔法を使うんじゃなくって!」
「……そう?」
「とにかく、魔女サマは魔力の扱い方気をつけてクダサイ」
「はーい」
シュガーの何故か片言の言葉に渋々頷く。
うーん、でも魔力ってそういうものじゃないの?
魔女は桁違いの魔力って言ってたし、自分はそういうものだってわかってたつもりなんだけどなぁ。
やっぱりみんなは魔女に触れ合う機会があたしが現れるまでなかったんだもんね。
魔力が凄まじいものだってわかってても、実際実感することは難しいのだろう。
みんなの忠告通り、魔力の扱い方はとにかく気をつけよう。