憎たらしいほど君が好き
二人を探しがてらめぼしいものを買い歩く。


果物どら焼、アイス最中、きんつば。


このフェスは当たりだった。

老舗から新参者までの菓子屋やレストランが沢山出店している。


美味しいものは好きだ。

別に食べ物が嫌いで来たくなかった訳ではないので、夕陽と二人で食べ歩くのも悪くない。


泡雪羮やあまおうクレープ、無花果タルト。


「太るよ」

「いいの!美味しいから。ヤケ食いも兼ねてるから」

「真人を探してるんでしょ」

「真人を探しがてら美味しいものを探してるのよ」

「ああそう」


二時間は食べ歩いた。


でも四時五十分にもなると、さすがに気になりだす。

「いないんだけど夕陽」

「知らないよ」


広場を突っ切ると小さな公園があった。
< 18 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop