憎たらしいほど君が好き
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「あーっ疲れたーっ」

夜道で理彩が叫んだ。

慣れない立ち仕事をしていたせいか、どことなく真人も疲れているようだ。


「うるせーよ理彩」

そう唸った真人が何だか可愛くて笑ってしまう。

私って重症かもしれない。

「てか霞!何笑ってんだよ!」

真人が私の視線に気づいて振り向いた。

「え、え?笑ってないけど」

「分かりやすすぎだろうが!」


ワシャワシャと髪を撫で回され一歩後退。


「笑ってない!」

「おー、いい度胸だな」

「は?何言ってんの」

「来週の水曜午後六時!学校終わったら決戦な?」

「え、やだよ面倒くさい」

決戦って何だ。

しかも外出るとかめんどくさいだけじゃん。

「な…ゆっ、夕飯奢ってやるから」

「夕飯?」


珍しく真人が顔を赤くしている。

意味不明極まりない。

そこ赤くなるとこ?


「…何、赤くなってるの?」

「はぁ!?赤くなってねぇし!」

さっきから思ってたけど真人の声が周囲に響きまくっている。


「うるさいよ二人とも」

夕陽が呆れ顔でため息をついた。


「ちょっと夕陽。私悪くない」

「カレカノでしょ、連帯責任だよ」


カレカノ。


何だろうこの響き。

思わず口角が上がってニヤけてしまう。


「…何なの?気持ち悪いんだけど」

夕陽の毒舌が飛ぶ。
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