血の記憶
「衣替えだよ、衣替え!半袖になるの、もうそろそろ6月にはいるから長袖だと暑いでしょ!ここの制服夏服も可愛いんだよー」
半袖………。
カーディガン着とけば大丈夫よね。
体育だって今まで長袖ジャージ着て誤魔化してこれたし。
「あ、来た来たおはよー、翔真」
翔真?
祐樹が向かった方に首を曲げると教室の入り口のところに翔真がいた。
眠いのか不機嫌そうに見える。
そんな翔真に近づいていった祐樹が何かを言ったときだった。
俯きがちだった顔を急にバッとあげ真っ直ぐこっちに向かってくる。
え、なんか私の方に来てない?
予想はあたり翔真は私の目の前で足をとめた。
その行動にクラス全体がシーンとする。
みんなの視線を背負った翔真が口を開いて
「…おはよー、奈央」
笑顔を見せた。