血の記憶
その一言でクラスが再び元の騒がしさに戻る。
「あれ?翔真今日は機嫌良いんだね」
「あ、ついでに中崎もおはよー」
「それひどくない!?」
「いやー、香奈の扱いはそんなもんでしょ」
目の前で繰り広げられるいつも通りの騒がしさに少しホッとする。
先生が教室に入ってきた瞬間みんなが席に向かう。
私も席に座る。と同時に隣から感じる視線。
そっちに顔を向けると私をじーっと見つめる翔真の姿があった。
「…なによ」
先生が話をしているので心持ち小さな声。
「俺、親父になにも聞いてないから」
返ってくる声も小さめ。
でも聞いた言葉は今私が一番安心できる言葉だった。