君が嫌いで…好きでした
母さんが何か余計なことを千菜に吹き込むんじゃないかって心配で大慌てで風呂に入って来た
そしたら千菜の姿がなくて母さんに聞いたらあの部屋に居るって聞いた
その部屋に行くと仏壇の前で綺麗な姿勢で手を合わせている千菜の姿があった
なんだかその凜とした姿に少し見とれてしまった
そして千菜が真剣に手を合わせている理由もなんとなく分かった
奏叶「…冬馬にしてくれてるの?」
千菜「奏叶…お風呂上がってたんだ…」
奏叶「うん。線香まで上げてくれてありがとう」
俺も千菜の隣に座って手を合わせた
千菜「冬馬くん…奏叶に似てるね」
奏叶「よく言われたよ」
冬馬の事を思い出すと今でも苦しくなる
でもその事があったから千菜を好きになった
奏叶「…こうゆうの運命のイタズラっていうのかな」
千菜「え?」
奏叶「ううん。何でもない」
―――――――…
私の隣で手を合わせた奏叶の横顔は少し切なそうに見えた
奏叶「そろそろ戻ろっか」
奏叶はそう笑ったけど…奏叶だってそうやって誤魔化していることが沢山あると思う
私が出来ることなんて些細な事かもしれないけど…
私は奏叶の側に居たい…
お参りを終えて奏叶と一緒にリビングに戻ると奏叶のお母さんもお風呂を上がったようだった
かな母「あ、奏叶。千菜ちゃんはママと一緒に寝るからね」
奏叶「え!?いいよ一緒で」
かな母「何言ってんのよバカ。そうゆう訳にはいかないでしょ?」
奏叶「…分かったよ」
かな母「千菜ちゃんの事ならママに任せて。
行きましょ千菜ちゃん。」
千菜「は、はい…」
奏叶「おやすみ千菜」
千菜「…おやすみ…」
――――――…
悪夢にうなされて寝不足の千菜を何とかしたくて今日誘ってみたけど…
やっぱり完全にはその不安を取り除くことは出来ないか…
母さんが一緒なら大丈夫だろうけど…
今日は穏やかな夢を見てほしい…