君が嫌いで…好きでした
次の日の朝はすごい天気が良かった
複雑な想いを胸にしまって俺は千菜が出てくるのを待ってた
昨日あれからずっと考えていた
千菜の事をどうしようか…
こんな事になったからには湊は自分のしたいように動いていくはず
そのうち千菜に想いを伝えるだろう
湊の為に…千菜と別れなきゃいけない
でも俺から千菜にそんな事言ったら千菜はきっと今以上に不安になるかもしれない
ちょっとした不安もさせたくない
だから俺から別れ話はしないことにした
湊は口が悪いところもあるけど根はいい奴だから…
千菜もきっと好きになる
上手くいって2人が幸せならそれでいい
千菜から別れ話が出るまで…俺の我が儘だけど彼氏として側に居たい
あと少しの時間だけ千菜の側に…
千菜「奏叶…?」
奏叶「千菜おはよ!学校行こう」
千菜と並んで学校に向かう
千菜、どうか気づかないで
俺のこの想いに…俺の我が儘に…
学校に着いて教室に千菜と一緒に居ると遅れながらあくびをして眠そうな湊が入ってきた
奏叶「湊…おはよ」
挨拶をしたけど湊は顔を背け無視した
やっぱり怒ってるよな…
怒って当然だよな…
隣で俺の事をじっと見ている千菜に気付いた
今のを見られてたか…
奏叶「あー…見ちゃった?なんかね喧嘩しちゃった。でも心配することないからさ」
なんて笑って誤魔化した
それ以上言うのは違うと思ったし千菜もそうなんだ…と小さな声で言っただけだったからなんとなく助かった
でも結局喧嘩なんて言ったから千菜は心配したと思う
千菜「早く…仲直り出来るといいね…」
奏叶「そうだね…」
仲直り…また3人一緒に笑ってるような未来がまた来るのか俺には分からなかった
その日は湊が俺を避けてるみたいで一言も話すことなく1日が終わった
帰りも千菜を送ったが千菜は何かを感じているのか湊の事には今日ずっと触れなかった
だけどそのかわりに時々千菜は湊の事を目で追っていた
少なくとも千菜は湊の事を気にしていた
それがほんの少し嬉しくでもどこか悲しかった
俺は凄く自分勝手な奴なんだと思い知った