君が嫌いで…好きでした
次の日の昼休み
昨日奏叶が湊と喧嘩したって話してくれた
今日の様子を見ていても仲直りしたようには見えなかった
湊は私達の方に来ることはなく他の友達の人と一緒に過ごしていた
私が湊の事に触れないせいか奏叶も湊の話題には触れなかった
でもどこか寂しそうで湊の事を気にかけているように私には見えた
教室で珍しく作ったお弁当を広げて奏叶と一緒にご飯を食べていた
外を眺めてみているととてもきれいな青空が見える
先生「おーい七瀬!ちょっと手伝ってくれ」
奏叶「はーい。ごめん千菜、ちょっと行ってくるね」
千菜「うん。私も用事思い出したから」
奏叶は先生に呼ばれ教室を出ていき私はお弁当を片付けるとあるところに向かった
―――――――――――…
ダムっダムっダムっ…
バスケットボールをドリブルしながら俺はイライラしていた
奏叶の事も自分の事も全部がイライラする
なんなんだよこの気持ち…自分でもよくわかんねぇ…ただ今は何もかもがうっとおしくて仕方ねぇっ…
ボールをドリブルしながらスムーズに俺はゴールを決めた
よくわかんねぇ自分の気持ちにイライラしながらすっきりさせたくてただがむしゃらにゴールにボールをぶつけまくった
ガンっ…ゴン…ゴン
湊「やべ…ミスった」
ゴールから外れたボールは体育館の入り口の方に転がっていった
千菜「はい」
転がったボールはいつの間にかそこにいた東が取ってくれた
湊「なんでお前がここにいんだよ」
千菜「教室の窓から湊がこっちの方に行くのが見えて…」
湊「…かなはどうしたんだよ」
千菜「先生に呼ばれてどこか行った」
湊「ふーん…」
東はそれ以上何も言わずにたたずんでいた
湊「お前どうせ暇なんだろ?ちょっと付き合えよ」
俺は東にボールを手渡した
湊「バスケくらい少しは出来んだろ?」
東は何も言わずにボールを持ったままゴールの方に歩き始めた