君が嫌いで…好きでした


お墓参りを終えた私達はまた駿府城公園に戻ってきた


湊「へぇさっきの奴美容師なんだ。そんな感じだよな」


千菜「うん…仲直りしたらお店おいでって」


奏叶「いい人だね凜さん」


千菜「うん…凜ちゃんも毎年お墓参り来てくれてたみたいだし…久しぶりに会えて私も良かった」


湊「日が暮れてきたな」


奏叶「夕焼けの桜も綺麗だな」


千菜「…私今日楽しかった。連れてきてくれてありがとう奏叶、湊」


奏叶「また連れてきてあげるよ」


湊「そろそろ帰るか」


私達は駿府城公園を後にし、電車に乗って帰ってきた


湊「じゃ、次は学校でな」


奏叶「おやすみ千菜」


千菜「うん…送ってくれてありがとう。気を付けてね…」


家まで送ってくれた2人を見届けて私は家に入った


千菜「ただいま。チョコ今、ご飯あげるね」


チョコをゲージから出してエサをあげた
そして楓が最後にくれた大切なオルゴールを鳴らしながらチョコが頬張る様子を見ていた


オルゴールの音が心地いい…
いつも悲しくて寂しくなるのに今日は少し嬉しく感じる


千菜「…私もご飯にしようかな」


簡単におにぎりを作って食べた後にお風呂に入った


そして色々しているうちにあっという間に時間は過ぎて時刻は9時半過ぎ


そしたら突然チャイムが鳴った


千菜「誰だろう…こんな時間に…」


ピーンポーン…


不思議に思いながらも私は立ち上がり玄関に向かった
そしてそっとドアを開けた


奏叶「あ、良かった。まだ起きてた」


玄関の向こうには笑った奏叶が立っていた


千菜「奏叶…なんでここに…」


奏叶「うん…とりあえず入っていい?」


不思議に思いながらも私は奏叶を家の中に入れた


千菜「それで…こんな時間にどうしたの?」


奏叶「うん…間に合って良かった。千菜ちょっと目閉じてて」


奏叶の言う通り目をつぶっているとガサガサと音がする
奏叶はこんな時間に一体何をしに来たんだろう


そう思いながら待ってると…


奏叶「いいよ。目を開けて」


ゆっくり目を開けると目の前にはろうそくを建てたショートケーキを持った奏叶が居た


千菜「え…?」


奏叶「誕生日おめでとう千菜」


笑って話す奏叶に私は戸惑った


千菜「なに…これ…」


奏叶「今日誕生日でしょ?急いで買いに行ったんだけど皆閉まっててコンビニのケーキしか用意出来なかったけど…ほらろうそく消して」


戸惑いながらもろうそくを消した


千菜「…誕生日…知ってたの?」


ケーキを机に置きながら奏叶は言った


奏叶「本当は知らなかった。でも今日が楓さんの命日だって聞いた時初めて分かった。千菜前に話してくれたでしょ?」


奏叶はそんな些細な話をちゃんと覚えていてくれたんだ…
誕生日なんて自分でも忘れていたのに…


奏叶「それで時間なくて急いで買ったんだけど…はい、誕生日プレゼント」


袋の中から可愛く包装された包みを奏叶は手渡した
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