星に願いを

入っていたのは、字が汚いノートと、下手くそな絵が書かれている画用紙。どう見たってあたしが小さい頃に書いたものだと思う。


「はは、汚い絵。わけわかんないや」


その画用紙をじっと見つめた。たぶん、赤い色で書かれた女の子と、青い色で書かれた男の子が仲良く手を繋いでいる絵だと思う。

次にノートをパラパラ捲ってみると、さっきみたいな絵だったり、解読不可能な文字だったり。

だけど最後のページに書かれていた言葉はしっかりと読み取れた。





“ りーくん、ごめんなさい ”





くしゃりと曲がったり、潰れた文字でそう書かれていた。


…りーくん?誰だろう。り、なんてつく人周りにいたっけ。




「り、り、り、りょうま、いないな…」




そう頭を傾げていると箱の中にキラキラしたものが見えた。

なんだろう、と手に取り見てみる。


小さくて布製で紺色の箱にキラキラした飾り。なんか指輪を入れるケースみたい。

そんな事を思いつつ、箱を開けた瞬間驚いた。




「はっ!?ダイアモンド!?」




その箱はやっぱり指輪のケースで、キラキラと輝る大きな石の付いた指輪が入っていた。



…いや、まさか、ないない。



だけど安物とは輝きが違う。みたこともない輝きだ。

なんだか怖くなって閉じると、裏に何かネジがあるのに気づいた。




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