星に願いを
もちろんそんなのは嘘っぱち。このあとの予定は同じクラスのメグが主催する合コンだ。なんでも相手は超有名大学の超エリート集団らしい。

高校2年生にとって、大学生の男の子の子との合コンは貴重なんだから!

「あら、お父さん。もう迎えに行く時間よ」

「いいな!しっかり勉強してくるんだぞ!」

「まかせといて!」

「おまえの返事は当てにならん。あとで優大君に確認の電話を」

「いい年していい迷惑かけんな。ダメオヤジ。」

「だーれーのせいだー!」

「お父さん、はやく。亮子ちゃんが困ってるかもしれないわよ」

「くっ!いいな!」

ピシャン!と閉じられた扉を目の前に、あたしはニヤリと笑った。


馬鹿でうるさい父。温厚でお父にべたボレな母。あたしより2個上の姉は大学生。そしてこの、わたし。

どうやら、この四人家族に今日もうひとり加わるらしい。

お父さんの知り合いの娘さんで、あたしと同じ年で同じ高校に転校。


亮子ちゃん、だっけ?


狭いこの家に開いてる部屋なんて屋根裏部屋しかなくて、亮子ちゃんはあたしの部屋に居候予定。

それがとっても楽しみ。亮子ちゃんの恋の話とか、服の貸し借りだとか!

いい子だといいな、なんて小さく呟いて腰を上げた。
< 4 / 54 >

この作品をシェア

pagetop