小さなキミと





ステージ上の一角に自分たちの荷物を置かせてもらい、あたしたち女子バレーボール部員は男子たちが既に始めていた準備に加わった。


「服部がバレー部って、マジで意外だわ」


「うっせーな……お前……あっち行けよ」


服部は、支柱のネット巻き上げの器具と戦いながら言葉を発した。


「あっち行け、ってアンタさあ。それが終わったら人手いるでしょ」


呆れてそう言ったあたしをチラッと見上げた服部は、不機嫌丸出しの顔をすぐさま逸らして、全体重をかけてハンドルを下に回し込んだ。


あたしは人手が足りなそうなところに来ただけなのに、何をコイツは勘違いしてるんだか。


「お前は……見たまんま、だよな」


固いハンドルをありったけの力で動かしながら、服部が苦しそうに言った。


巻き上げも終わりに近づいていて、かなり大変そうだ。


「えー、なにそれ。ポニーテール女子はみんなバレー部だと思ってるワケ?」


分かっているくせに、あえて的外れなことを言うあたし。


服部はジト目であたしを見上げたが、何も言わずに巻き上げを再開する。


「言いたいことあるなら言ってくれない?」


ムッとして言うと、服部はハァーッとため息をついてハンドルを引き抜いた。


「……お前、バレーやるならもうちょっと髪切った方がいんじゃねーの? 目に入ったら危ないだろ」

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