小さなキミと
一方の結も、押しが強すぎる南雲くんに若干引き気味の様子。


それから適当にゲーセン内をぶらついているうちに、寺田と森くんがいつの間にかいなくなった。


アイツら勝手に帰りやがったのかと思いきや、2人はバスケットボールのシューティングゲームに夢中になっていたのだ。


信じらんない、あたしは放りっぱなしかい。

おめーらみたいな男子、こっちから願い下げ!


あたしは心底がっかりして、仲良くゲームに汗を流す筋肉男2人から目を背けた。


完全に、寺田と森くんとは別行動になった。


結と一緒にプリクラを撮りたがる南雲くんと、それをやんわり断る結。

その2人の後ろ姿は、恋人というより兄妹のようだった。


結の身長が150cmちょっとで、南雲くんはたしか、188……って言ってたような。


っていうかさぁ。

あぁーっ、つまんないの!


なーんでこんな2人の後ろを付いて歩かなきゃならないのよ。


結も結だ。


ビシッと断ればいいものを、はっきり言わないから結局プリクラのコーナーまでたどり着いてしまったではないか。


「涼香、ごめん。1回だけ撮ることになったから付き合って」


申し訳なさそうな顔で、結が言った。


いや、でも南雲くんは結と2人で撮りたいんでしょ?


そう思って長身の南雲くんの方を見上げる。


目が合うと、彼はさりげなくあたしに近づき、こそっと耳打ちした。

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