小さなキミと
この調子では、冷めるどころか、どんどん服部のことを好きになっていく気がした。


好きが溢れだしたとき、自分がなにかとんでもないことをやらかしそうで怖い。


傷つきたくない。


でも好きものは好きなんだもん、しょうがないじゃん。

そう開き直る自分もいて。


考えれば考えるほど、自分がどうしたいのか分からなくなるなんて。

こんな矛盾した気持ちになるのは初めてだった。







終わってみれば、いまいち盛り上がりに欠けた球技大会だった。


悔しいことに、どの種目も表彰台に上がったのは3年生ばかりで。


やる気がないくせに、そういうところはちゃっかりしている先輩たちには、悔しさを通り越して感心を覚えた。


1年生は……どのクラスもやる気はあったんだけど、いかんせんチームワークに問題があって惨敗。

我らが1組女子バレーチームも、1回戦は勝てたけれど、午後の試合であっけなく敗退し、順位争いから外れてしまっていた。




閉会式と後片付けを終えた今の時刻は、午後3時半を少し過ぎたところだ。


「ひなたぁーっ、いい加減、白状しろーっ」


「待て日向っ」


逃げ回る日向と、それを追いかけるあたしと結。

3人とも上はカッターシャツ、下は体操着のハーフパンツといった、ちぐはぐな格好だ。


いや、日向に至っては、上は下着姿だった。



ここは校舎4階、女子更衣室。


ほんの1分前までは、あたしたちも周り数人の女子と同じように談笑しながら、普通に制服に着替えていた。


そう、日向が例の世良くんに、体育館裏なんていうベタな告白スポットに呼び出されたと、うっかり口を滑らせるまでは。

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