きっと、明日も君がすき。
一言。つぶやくように低い声でそう言って一人が屈んでペットボトルを手に取った。
「…あんたの?」
ペットボトルを差し出され、
見上げるように真っ直ぐに見つめられる目。
「あ…すみません」
階段を上ってきてくれるのを見て、慌てて階段を駆け下りて受け取り、お礼を言ってもその人は無表情で。
私の方が上にいるのに背は全然高くて。まっすぐに私を見下ろしてくるもんだから、困った。
受け取ったペットボトルをぐっと握って軽く頭を下げれば、冷たい視線で。
「危ない」
もう一度。
それだけ言って、
元の集団の中に戻って行った。
あとに取り残された私と、その様子を見ていた集団は会話も止まっていて無言で。
「志桜里、行くよ、」
「あ、」
気まずい空気が流れる中。
麗ちゃんにぐいっと腕を引っ張られて、そのまま引きずられるように教室に戻った。
「なんなのあいつ!」
「…何が?」
「何がじゃないでしょ」
教室に戻った瞬間。
我慢していたように吐きだした麗ちゃんはなぜか怒っていて。その理由が分からず聞けば、さらに怒りは増したかのように睨まれた。
「確かにペットボトルを落とした志桜里が悪いよ?」
「うん」