きっと、明日も君がすき。
「え?」
私?
バラバラと話される言葉に耳を傾けていて、いきなり出てきた私の名前。
「そそ!矢野先生はどんな学生だったんですか?とか、仲良かったんですか?とか」
「私の、ことを?」
聞けば、全員が同じタイミングで首を縦に振る。
「結構ねらわれてるよ~志桜里ちゃん。選択しか会えないからさ。選択してない子は全く関わりないから」
「私たちが佐田くんのこと知りたいように、男子も志桜里ちゃんに興味津々で」
「垣ちゃんと山ちゃんがなんでも話してくれるから、そのノリで聞いちゃったんだよね」
「そしたらさ、」
佐田くんは、私のことを何て言ったんだろう。聞きたいようで、聞きたくない。
だけど、私の意志とは関係なく話は進んでいく。
黙って、続きを待つ。
「クラス違うから分かんないって。喋ることはあったけど、詳しいことまでは知らないから答えられないって」
「その後先生怒ったのかな?なんか空気凍り付いたよね」
「すぐに授業入っちゃったし……それで男子のせいで結局肝心な質問できなくてさ」
むかつくよね、男子!という言葉が飛び交う。
……結真くんは当たり障りのない回答。受け流したというのが正解だろう。