きっと、明日も君がすき。
「やっぱり男子も女子も年上好きなんだよねー」
「クラス違くても、佐田くん人気だったでしょ?」
「そうだね・・・。人気、だっかなぁ」
「ねね、志桜里ちゃん、知ってることだけでいいから佐田くんの話教えてよ」
「うーん・・・あまり見かけなかったからなぁ。あ!ちゃんと手、動かしてね、ほらほら!」
すっかり手が止まってトークに夢中になっている子達を促す。
「そうだよ。あと一回で仕上がらなかったら放課後残って作業してもらうからね」
いつの間にか、背後に来ていた田島先生。その一言に嫌ーー!と発狂しながら、作業に戻っていく。
ぽん、と肩を叩かれてすぐに振り返ったけれど
田島先生はもう他の机の生徒達の元へ動いていっている途中だった。
「―――志桜里ちゃん、か」
何かを思うように言われ、置かれたマグカップ。
「先生、と呼ばれるのも違和感なんですけど、ちゃん付けは先生の威厳がないですよね・・・」
距離を置かれるのも、悲しい。
先生、と呼ばれるのも少し前までダラダラ学生生活を送っていた私からすると違和感があって。
でも、親しみを込めて名前で呼んでもらえると、嬉しいのは嬉しいのだけど。
先生として見てもらえているのかな、と思う。
複雑。
「親しまれてる証拠だよ。あだ名付けはよくあることだし」