きっと、明日も君がすき。
指示はきちんとできてるみたいだからね。先生は、マグカップを持ったまま私の隣で窓の方へ向いて座る。
授業中は自分のやらなければならないことに夢中で……。
田島先生がどこにいるのか全然気にしていられなかったことに今さら気づく。
先生は自分のことをしながら、ちゃんと私が何をしているのか見てくれてるんだ。
「志桜里ちゃんは男子生徒に人気らしいね」
ぽつり、窓をみたまま先生。
ドキッと思わず反応してしまい、両手で包むように持っていたマグカップの中の紅茶が揺れて波を立てる。
「・・・聞いてたんですか?」
授業中の会話。
「ううん。僕にもいっぱい質問きたから。高校生の矢野さん。どうだったかって。やっぱり気になるのかな。高校時代」
決して、人に言えるような高校生活じゃ無かった。
・・・というか、毎日が平凡すぎて。特に何をしたとか、そういうのすらない。
「美術室でしか会えないからね。その特別感がまた男子の心を揺さぶるんじゃない?」
「やめてください」