きっと、明日も君がすき。





のんびり。そんな言葉がぴったりの美術室。ゆっくりと、コップの中身を消費して、先生をゆっくり歩きながら控室に戻った。


皆やっぱり授業のようだ。控室を開ければ、窓からの光だけで電気も暖房もついていなかった。





廊下と変わらない温度だから、きっとずっと誰もここには戻ってきていないのだろう。


暖房と電気のスイッチを点けて、窓に近づく。


2月の終わり。窓から見える梅の木が少しだけど蕾を付けている。懐かしいなぁ。

そのままグラウンドへと視線を向ければ、持久走をしているみたい。





赤いジャージ……2年生だ。

小さい赤い粒が点々と動いている。






見てるだけで辛そう。


そう思って笑う。


――――と、カラカラと音がして開いたドア。



反射的に振り向けば、人がいると思っていなかったのかな。

びっくりしたように私を見て、立っている結真くん。


目が合った瞬間、ドキっとする。



―――こうして2人きりなのは、実習が始まって初めて。




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