きっと、明日も君がすき。
「知ってるよ、バーカ」
書いた本人を見つけて直接そう言ったら、その人はどんな顔をするのかな。
遊びでいいって、最初に約束したんだもん。
靴を隠されたりしないだけまだマシかな。
これも、結真くんが部活に行き始めた頃からだったかな。
最初はぶつかったり、すれ違いざまに悪口言われたり。
遠くからコソコソ聞こえるくらいの声量で悪口を言われたり。地味な嫌がらせが始まった。
机の上に置いてたプリントがなくなった。机の中に入れてたはずの教科書がぐちゃぐちゃになってた。
鞄の中の物が、ぐちゃぐちゃになって、悪口を書いた紙が入れられていた。どれも、小さい。
だけど、いい気はしない。
原因も結真くんと付き合ってるからだと、ご丁寧に紙に書いてくれていた。
もうすぐ、一年になる。
まだ、誰も気づいてないけれど。誰にも言わなかった。辛くなかったし、どうでもよかった。
結真くんに言えば面倒になるから別れようなんて言われそうで。
誰かわからない嫌がらせの犯人よりも、そっちの方がよっぽど怖かった。