きっと、明日も君がすき。



麗ちゃんも知れば、絶対に黙ってないと思うから。

2年生の時は先輩からさりげなく悪口を言われることもあったから卒業したらなくなるかもと思ってたけれど。

3年になった今も続いているということは、同級生、かな…。


こんなことしても、意味ないのに。ぐっと力強く鞄を持てば、傷ついた指が、痛かった。

……傷は放っておけば治る。




嫌がらせも、悪口を言われて嫌な思いはするけれど。

それ以上に結真くんとの幸せな時間があるから平気。

麗ちゃんがそばにいてくれるから、別に嫌われたって大丈夫。



結真くんと別れる方が付けられる心や体の一部の傷よりも痛むことになるって分かってたからこそ。


平気だった。…だから、このままでいい。








そう思っていた私は馬鹿だった。



今ままで何とも思っていなかったものが、人が、誰かが嫌いと言った瞬間嫌いになる。








嫌いな人が好きなものまで、関係ないのに嫌いになる。




人ってそういうものだ。



「―――麗ちゃん!?」


蒸し暑くなってセミの声もうるさくなってきた日。朝学校へ向かうと、足を引きずる麗ちゃんが教室に入ってきて。


今まで暑かったはずなのにすっ、と冷たい汗が背中を伝った。


< 86 / 156 >

この作品をシェア

pagetop