カ ク レ オ ニ

そのあともクラスは【カクレオニ】についての話で騒がしかった。

「全く…羨ましいわ…」

「なにが?」

独り言で呟いたつもりだったのに誰かが聞いてたらしい。
顔を上げると、

「皐月」

「おはよう、美亜」

「おはよう。皐月はもちろん信じてないよね?」

「うーん、まぁね」

「なんか曖昧だね。ほんとに始まってもどうしようもないじゃん」

「そうだよなー…終わらせないと死んじまうし」

「せいぜい死なないようにしないとね」

「まだやることたくさんあるしな」

皐月は私の幼馴染で私を由美と林檎の次くらいに理解してくれる人。
色々といつも頼っている。

「まぁ、美亜は足が遅いから即死だな」

鼻で笑ってきた。
うぜぇこいつ。

「知ってる?そういうの死亡フラグっていうんだよ?私にそういう事言った皐月の方が即死だね」

言い返してやった。

「可愛くねー」

「さっき田中にも言われた」

「まじか」


そんないつもの日常だと思っていた。
私達の【死】を知らせるメロディーは少しづつ近ずいていた。
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