君のとなりで

昂の思い side颯

実結の危なっかしい協力作戦に何とかフォローしながら二人きりにさせるところまでいった。

こんなに疲れると思ってなかった。

ほんとはこんなことするのは正直いって面倒くさいけど、山下と昂がいなかったら俺はまだ実結に告白できずにいただろうから。

それに俺は昂がどれほど一途に山下を思ってきたかをずっと見てきてる。

「あー…緊張してきた!」

なぜかそんなことを言う実結。

でもまあ確かに、山下の反応は気になるところだけど。

「早紀、あのさ…」

昂がついに口を開いた瞬間、

「もしかして早紀か…?」

昂の声は誰かによってかき消されていた。

そこには、大学生くらいの背の高い男。

誰だ…こいつ?
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