君のとなりで

未練 side颯

新学期が始まって一週間。

クラスメイトも休み時間に勉強したり、放課後自習室を使ったりして本格的に受験に向けての準備が始まった。

俺もいくら推薦だからって気を抜いてはいられない。

柴崎と面接の練習をしたり、小論文を書く練習をしたりしている。

そして同時に始まった、高校生活最後の体育会に向けての準備。

委員会ごとに係りが割り振られているから俺は去年と同じでまた西田とだ。

学級委員は得点集計の係。

今日はその係会が各委員会で行われる。

「颯君!まってよー!」

暑いのにベタベタしてくる西田にイライラしながら生徒会室に入ると、先に来て座っていた山下と視線がぶつかった。

そういえば山下って学級委員だったっけ…

なんとなく視線をずらしていると、つかつかと山下が俺の席に歩いてきた。

「颯君、このあと話があるんだけど、いいかな?」

やっぱり、あのことだよな。
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