君のとなりで
どこまで実結が話してるのか知らないけど…

「わかった。」

山下にもちゃんと説明するべきだ。

委員会が始まっても俺はその事ばかり考えていて、全く係の内容の話を聞いていなかった。

会が終わると話しかけてくる西田を振りきって、山下と廊下に出る。

「ここじゃ人多いから、階段の下で話そ?」

山下は人気のない階段の下まで来ると、くるりとこちらに向き直った。

「まずは、ちゃんと別れた理由からいってもらいましょうかね!」

腰にてを当てて言う山下。

「実結からどこまで聞いてんの?」

「留学することは聞いたよ。でも遠距離になるから別れるってことだよね。」

遠距離になるから別れるって言うより、なんか違うんだよな…

うまく言えないんだけど。

「実結のそばにいてやれなくなるから、だったらあいつを縛っておきたくないって思って…だから、俺はこうするのが一番だと思ってる。」

自分の勝手な行動のせいで、あいつを振り回したくない。


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