チョコレートのように
「ところで、桜香っていくつなの?」

会ってから、年齢も聞いてなかったことに誠人は気付き、聞いてみた。

「えっと、15歳です。」

「そうなんだ。俺は18歳だよ。」

「私より3つ年上なんですね。仲良くなれるといいです。」

くすっと笑う桜香は表情がわからなくても、可愛らしいと俺は思った。

「そういえば、これからどうする?」

「何処か働きましょうよ。このままお金が無くなってしまうかもだし……」

「そうだね。仕事探すか。とりあえず、今日はもう寝よう。」

しかし、ベッドは一つしかなかった。

「ベッド、一つしかないから、俺は床で寝るね。」

「えっ、あの……」

桜香は慌てるように俺の服の裾を掴んだ。

「ひ、一人は寂しいですし、私がベッドで寝るのはおこがましいので。良かったら一緒に寝ませんか?」

俺はかなり驚いた。

はじめて会ったばかりの人。しかも男と一緒に寝るなんて、無防備にも程がある。

しかし、桜香はかなり本気のよう。
断ることもできなかった。

「いいよ。」

言ってしまった。

しかし、桜香は嬉しそうだし、別に良いかな。
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