チョコレートのように
「・・・・よし!」

さっきの女の子を後ろから袋に入れた。

「きゃっ!!」

袋は外が見えない透明でも半透明でもない袋だ。

しかも、後ろからいきなりだから感覚が良くわからないと思う。

きっと恐怖心がひどいくらいにあるだろう。

「ごめん。少しの間だけ、静かにしていて。」

そう、女の子に言うと、すこし落ち着いたよう。

それか、脅されているように感じたのかもしれない。

袋の中では、はぁはぁと荒い呼吸が聞こえる。

やはり、今言ったことも怖かったのかと思う。

とりあえず、部屋に連れ込んだ。

周りの人に変な目で見られているような気がしたが、きっと気のせいだ。

ゆっくり袋を開けた。

女の子ははっと俺を見て震えた。が、

「さっきのお兄さん・・・・?」

というと震えを止めて首をかしげた。

「そうだよ。怖がらないで。」

と、頭をやさしくなでた。

普通の人はもっと怖がるかもしれないが、女の子はすこしも怖がらなかった。

「まぁ、自己紹介しようか。俺は誠人。君は?」

「わ、私は桜香・・・・誠人さんですか。た、助けてくれてありがとう・・・・」

握った手を胸に当てて桜香は少女らしく話した。

「で・・・・仮面ってなんでつけているの?」

俺は思い切って言ってみた。

「えっと、それはいえないです。会ったばかりですし、お互いをもっとよく知ってから話します。」

桜香は俯いた。

「そうだな、じゃあ、これからもっと仲良くなろうか。」

俺は手を差し出した。

桜香ははっと驚いたように手を握った。

「よ、よろしくです・・・・」

そう、照れているような可愛らしい仕草をして桜香は手をぎゅっと握った。
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