心も体も、寒いなら抱いてやる
病院を出るとアイスブルーの車が花壇横の駐車場の隅にとめてあるのがすぐ見えたので、まっすぐ車に向かった。

車内をのぞくと、シートを最大限にリクライニングして寝ている俊がいた。

無防備な寝顔に子供の頃の俊の顔を重ねてみる。面立ちが大人になって、頬や目のあたりがすっきりしているが、あまり変わっていない。

それなのにまるで別人のように見える理由は、ひとつは背が伸びたこと。そしてもう一つは笑顔が消えたことだろう。

昔の俊くんはいつも笑っていたのにと、車内の俊の顔をまじまじと見た後で、助手席側のウインドウを指でたたいた。

熟睡しているのか目を覚ます様子がない。

みのりは運転席側に回ってもう一度窓をこんこんこんこんこんこんこんこんと、しつこくノックし続けた。

ようやく俊が目を開け、みのりを見るとシートを戻してからロックを外した。
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