心も体も、寒いなら抱いてやる
それから毎朝、俊が迎えに来るようになった。

嬉しかったけど、送り迎えも重要な業務のうちなのに、逆に迎えに来てもらっているなんて。

「社長に叱られちゃうよ」

「なんで?」

「だって送迎はマネージャーの仕事だし」

「じゃあ、運転下手すぎるから怖くて乗れません、て言っといてやるよ」

こういう意地悪な返しは早い。

「それも同じくらいまずいでしょ……」


花蓮に相談すると「あの俊が自分で早起きして出かけるから不思議に思ってたのよ。そうなんだ、みのりを迎えにいってたんだ。そっか、そっか。それはよかった。どんどん俊を使っていいからね」と、興奮しながら的外れな答えをくれた。

社長に現状を報告すると「へえ~ルカがねえ」と笑って、「ルカがやりたくてやっていることだから別に構わないわよ」と、まったく気に留めず、「それにしてもルカがねえ」とやはり驚くだけだった。
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