心も体も、寒いなら抱いてやる
それどころではない。

「みのりが行方不明だ」

「え?」

「正確に言えば、多分迷子になっている」

「なんで?」

「お前の中途半端なメッセージを聞いてパニクッて、知らないうちに一人で家に帰ったんだよ。タクシーが来るのが待てなくて駅まで歩いて出ていったらしいんだけど、このホテル山の上にあって道は真っ暗だし、雨も降ってきた。おまけにスマホを置き忘れていった」

「あいつ、むちゃくちゃ方向音痴なんだ」

電話の向こうで心配そうに顔を曇らせる太一の姿が見える。

「ちょっと探してくる。また連絡する」

「俊、悪いけど頼む。姉ちゃんまで迷惑かけてすまない」

「までってなんだよ、意味わかんねえ。そんじゃな」
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