心も体も、寒いなら抱いてやる
運悪くそれは彼女の日記のようなノートで、好きな男子生徒への想いもつづられていた。
彼女は必死に、しだいに泣きながらそのノートを返してほしいと懇願したが、そのノートに書かれた名前はそいつらの気持ちをさらに煽ってしまった。
「じゃあさ、俺らと遊びに行ったら返してやるよ」と、鞄を左わきに抱え、右腕で彼女の肩を無理やり押さえて歩き出そうとした。
そこに通りがかったのが俊―――。
その様子を見かけた彼は「彼女、嫌がってるからやめなよ」と、そいつらの間に割って入った。
『飛んで火にいる夏の虫』ということわざがあるが、まさにその時の俊は「夏の虫」だった。
彼らの気分を害し、また彼女への好意がジェラスに変わる素となった名前―――。
彼女がノートに書き込んだ想い人の名前は「山瀬俊」だったのだ。
彼女は必死に、しだいに泣きながらそのノートを返してほしいと懇願したが、そのノートに書かれた名前はそいつらの気持ちをさらに煽ってしまった。
「じゃあさ、俺らと遊びに行ったら返してやるよ」と、鞄を左わきに抱え、右腕で彼女の肩を無理やり押さえて歩き出そうとした。
そこに通りがかったのが俊―――。
その様子を見かけた彼は「彼女、嫌がってるからやめなよ」と、そいつらの間に割って入った。
『飛んで火にいる夏の虫』ということわざがあるが、まさにその時の俊は「夏の虫」だった。
彼らの気分を害し、また彼女への好意がジェラスに変わる素となった名前―――。
彼女がノートに書き込んだ想い人の名前は「山瀬俊」だったのだ。