心も体も、寒いなら抱いてやる
「いいところにきたじゃん」

俊自身は彼女から好意を抱かれていることは知らないわけだから、なにが「いいところ」なのかはさっぱりわからなかったわけだが、彼らにしてみれば今まさに一番むかつく恋敵が、目の前に現れたようなものだ。

俊は素早く彼女の鞄をその男子の脇から引き抜き、男子生徒が俊に気を取られた隙に女の子は彼の腕から逃れた。

彼女に鞄を渡して「逃げなよ」と目で合図をした直後、顔面を殴られた。

「かっこつけんじゃねーよ」

突然のことでしりもちをついた俊の腹を、次は他の男子が蹴り上げた。

女子生徒は教務室よりも近くにある体育館に走り、バレーボール部の監督をしていた教師を連れて戻ってきたときには俊は散々蹴られ殴られて、立ち上がれないほど痛めつけられていた。
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