心も体も、寒いなら抱いてやる
不安で顔を曇らせながら俊を迎えにいく。

チャイムを鳴らした途端にドアが勢いよく開かれ、「おはよう!」と迎えてくれた花蓮の表情は、みのりとは裏腹に、きらっきっらと輝いていた。

「おはよう。花蓮、今日は朝からテンション高いね」

「だって俊とみのりが一緒に仕事だなんて楽しみで。あら、みのりはなんか元気ないじゃない」

「緊張しちゃって……」

あたたたた、胃が痛い、とみのりはみぞおちを押さえたが、「大丈夫よ!」と、花蓮は意に介さない。

「俊! みのりが迎えに来たわよ」

約5分ほどたって、昨日と同じくスエットの上下に裸足の俊がビィを抱えて2階から降りてきて、みのりの前に立った。

「あ、あ、あの、話は聞き及びかと思いますが、今日から……」

緊張が走り、言葉使いがおかしくなる。

「やだ、みのりったら、俊相手にそんな丁寧語。基本はあのちびで昔は可愛かった俊だから。それにさ、みのりは頼まれてやってくれているんだから、上から目線でいっちゃって」

「おれが頼んだわけじゃない」

朝の一声から感じ悪い。

しかし、もっともだ。
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