琥珀の記憶 雨の痛み
え、と思った。
まさか――。
恐る恐る、ユウくんの視線を辿る。

眉をきゅっと寄せて複雑そうに笑う尚吾くんと、ばちっと目が合った。

うわ……。
なんてトコ見られちゃったの!?

恥ずかしい。
男の子のお尻に蹴り入れるなんて、どんだけ女らしからぬ行動を!

一気に顔が熱くなったのが分かった。
多分、赤くもなってる。


赤く染まっていく様子か、それともおろおろと視線を泳がしたのが可笑しかったのか、眉間から力を抜いた尚吾くんはぷっと小さく吹き出した。

彼の隣に寄り添うように立っていたナツを置き去りにして、笑いながらこっちに寄ってくる。
「何してんの莉緒」と、目を細めながら。

良かった、ユウくんの言う『凶暴なとこ』を見られて幻滅されたわけではなさそうだ。


「気を付けろよタケ、近寄ると蹴られんぞ」

「けっ、蹴らないよっ!」


尚吾くんに対してなんてこと言うんだ、馬鹿ユウ。
顔の前でぶんぶんと手を振って慌てて否定すると、尚吾くんは苦笑して。


――凶暴、と思われるよりも、ずっとショックなことを口にした。


「なんか、仲いいな2人」


え――……、どこが?
なんで、そうなるの?

一瞬頭の中が白くなって。
ぽかんと尚吾くんの顔を見つめたまま固まった私は、すぐには反応を返せなかった。
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