琥珀の記憶 雨の痛み
ユウくんと仲が良い、と言ったことなんかもうなかったことみたいに、ふわりと微笑みかけられて、心臓が跳ねた。
このところずっと2人になることを避けていたから、この笑顔を向けられるのもひどく久しぶりに感じる。
大好きだった彼の笑顔に、くらりとする。
ふわふわと虚ろになって頷きかけてから、不意に冷静さが戻った。
もうひとつの輪の中に混じっておしゃべりしていたナツの声が、少しだけ大きくなって急に耳に届いたから。
咄嗟にそっちを見た。
私たちの会話が聞こえて、牽制してきたんじゃないかって。
でもナツには、特にこっちを気にしている様子はなかった。
――見られてなくて、ほっとしている自分がいる。
やっぱり尚吾くんの隣はそわそわして、こうして2人になってしまえば自分が彼に恋をしているのだと思い知らされる。
ナツの目を盗むようにして彼との時間を幸せに感じてしまう自分が、友達を裏切っているようですごく嫌だ。
嫌なのに。
「……莉緒? 一緒に帰ろう?」
探るように目を覗きこまれたら、逸らせない。
その甘い誘いに、抗えない。
ごめん、ナツ……。
気が付いたらこくんと頷いていた。
嬉しそうに目を細めた尚吾くんを見て、ずくんと胸を締め付けるように、罪の意識が増した。
このところずっと2人になることを避けていたから、この笑顔を向けられるのもひどく久しぶりに感じる。
大好きだった彼の笑顔に、くらりとする。
ふわふわと虚ろになって頷きかけてから、不意に冷静さが戻った。
もうひとつの輪の中に混じっておしゃべりしていたナツの声が、少しだけ大きくなって急に耳に届いたから。
咄嗟にそっちを見た。
私たちの会話が聞こえて、牽制してきたんじゃないかって。
でもナツには、特にこっちを気にしている様子はなかった。
――見られてなくて、ほっとしている自分がいる。
やっぱり尚吾くんの隣はそわそわして、こうして2人になってしまえば自分が彼に恋をしているのだと思い知らされる。
ナツの目を盗むようにして彼との時間を幸せに感じてしまう自分が、友達を裏切っているようですごく嫌だ。
嫌なのに。
「……莉緒? 一緒に帰ろう?」
探るように目を覗きこまれたら、逸らせない。
その甘い誘いに、抗えない。
ごめん、ナツ……。
気が付いたらこくんと頷いていた。
嬉しそうに目を細めた尚吾くんを見て、ずくんと胸を締め付けるように、罪の意識が増した。