琥珀の記憶 雨の痛み
「新田莉緒です、春から高校2年になります。えっと、……富岡高校です。浜北中学出身で……えと、友人の紹介で……」
もういいよ、と言わんばかり、面接の女性が片手を上げた。
あまりの急な事態に心の準備どころか履歴書すらその場で書かされて、求められた自己紹介は緊張で言葉が詰まってばかりだ。
これはマズい、かも。
でも、縦にも横にも大柄なその人は、にっこり笑った。
威圧感が一気に消えて、すうっと肩の力が抜ける。
「浜中トリオから聞いた。新田さんは真面目で頭良くてなんでも一生懸命だからなんとしても雇えって」
女性は、身体を揺らして笑いながらそう言った。
「頭が良い子なら助かる。あなたを連れてきた2人も頑張ってはくれてるけど、何せ数字には弱いから」
すっと差し出された、初めてもらった名刺をどうして良いのか分からず、食い入るように見つめる。
食品フロア統括マネージャー、三橋さん。
「バイト初めてだって? 裏じゃなくて接客だけど、大丈夫かな。ケイちゃんと同じ、食品レジ」
「あの、それって」
「いつから来れる?」
もういいよ、と言わんばかり、面接の女性が片手を上げた。
あまりの急な事態に心の準備どころか履歴書すらその場で書かされて、求められた自己紹介は緊張で言葉が詰まってばかりだ。
これはマズい、かも。
でも、縦にも横にも大柄なその人は、にっこり笑った。
威圧感が一気に消えて、すうっと肩の力が抜ける。
「浜中トリオから聞いた。新田さんは真面目で頭良くてなんでも一生懸命だからなんとしても雇えって」
女性は、身体を揺らして笑いながらそう言った。
「頭が良い子なら助かる。あなたを連れてきた2人も頑張ってはくれてるけど、何せ数字には弱いから」
すっと差し出された、初めてもらった名刺をどうして良いのか分からず、食い入るように見つめる。
食品フロア統括マネージャー、三橋さん。
「バイト初めてだって? 裏じゃなくて接客だけど、大丈夫かな。ケイちゃんと同じ、食品レジ」
「あの、それって」
「いつから来れる?」