臆病者の鬼遊び
「……と、いうわけです」
話している間じゅう、倫太郎は何かを思い悩むように、ずっと眉間を押さえていた。
そしてそれは、話し終わってからも同じだった。
倫太郎が黙っていると、七海子もどうしたらいいのか分からなかった。
とりあえず、待合所の椅子に座ったまま、足をぶらぶらとさせてみた。
待合所の屋根が丁度日陰を作ってくれて、案外そこは居心地のいい場所ではあったが、そろそろ帰りたかった。
缶の中身が空になり、七海子が捨てようと立ち上がると、ようやく倫太郎が口を開いた。
「お前……本っ当に、何も聞いてないんだな」
「はぁ……」
なんと答えたらいいものか、でも多分自分は何も知らなかったので、曖昧に返事をする。
でも確かにその通りかもしれない。
もし、倫太郎が転校してくる事を事前に知っていたら、
七海子は今日、学校をズル休みしていただろうから。