LOZELO



次の数学は、とっくに身についた問題の解法を聞きながら眠気と戦った。

ノートをとっていないから、あとで莉乃のノートをコピーすることにした。

ノートをとる意味があったかはわからないけれど。

昼休みは、食欲のわかない体にご飯を詰め込んで、水分をこれでもかというくらい補給して。

そのおかげか、午後の授業はなんとか乗り切れた。

でも、帰りのホームルームが終わってすぐさま飛んでくる莉乃を待つより先に、教室を飛び出さざるを得なかった。

走ったからとか、疲れたからとか、そういう理由はもう通用しないと思った。

腹痛が、もう耐え切れなくなるまでに悪化していたから。

教室の外に集まって、きっとくだらない話をしてたむろっているのであろう女子たちを掻き分けて、廊下の奥にあるトイレに駆け込んだ。

痛みは日々悪化していて、食欲もない。

家での食事は、心配されたくなくて無理矢理のどの奥に詰め込んでるようなもんだし。

でも、食べれば食べるほど腹痛は悪化する。

体の倦怠感も正直半端じゃなくて、授業中も姿勢を保っていられないのだ。

それでも、教師たちに注意されたくなくて意地で体だけは起こしている状態。

やはり、腹痛は私に何かを訴えている。
でも、どうしろというのだ。

水で流れ去るそれを見届けながら、ため息をついた。

まだ残る痛みと共に教室に戻ると、莉乃が私の席で待っていた。
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